自民党は14日、定数削減を含む衆院選挙制度改革の独自案を決めた。最大の特徴は、公明党への配慮から、比例代表の一部に、中小政党に議席を優先配分する「優遇枠」を設けたことだ。しかし、野党は「党利党略」「分かりにくい」などと批判しており、自民党内でさえ「まとまる気がしない」(閣僚経験者)との見方が出ている。
自民党案は、比例定数を30削減し、残る150のうち60を優遇枠として、比例の得票数2位以下の政党に優先して議席を割り振る内容。優遇枠は当初案では30だったが、公明党に配慮して拡大した。60だと、公明党は「比例で昨年の衆院選と同じ22議席を確保できる」(幹部)という。
しかし、与党の「身内の論理」で取りまとめた案に、野党からの風当たりは強い。小選挙区の「0増5減」と合わせ、75の定数削減を主張している民主党の細野豪志幹事長は、自民党案の削減幅を「不十分だ」と批判。中小政党優遇枠についても、「法の下の平等」に反するとの観点から「憲法上許容されるのか」と疑念を呈した。
他の野党からも「中小政党への配慮はいらない」(松井一郎日本維新の会幹事長)、「極めて分かりにくく、党利党略以外の何物でもない」(みんなの党幹部)と批判が相次いだ。共産党の志位和夫委員長は記者会見で「比例削減をやめれば少数政党枠は必要ない」と、自民、民主二大政党の主張に真っ向から反論した。
自公両党は昨年11月、衆院解散と引き換えに、選挙制度の抜本改革について「通常国会終了までに結論を得た上で必要な法改正を行う」と民主党に約束した経緯がある。各党の合意形成を迫られる中で作られた自民党案は、参院選をにらみ民主党の攻撃をかわすための「妥協の産物」(自民党中堅)という側面があることは否めない。
自民党は各党の賛同が得られなくても、独自案に基づく関連法案を国会に提出し、野党が反対すれば「改革に非協力的」と主張する構え。このままでは、民主党政権時代の与野党協議と変わらぬ責任の押し付け合いが再現されかねない。(2013/03/14-19:40)
PR